認知症と空気環境

Dementia and the Air Environment

認知症の原因

認知症リスクを高める原因には、年齢や遺伝のほか、運動不足、喫煙、過剰な飲酒、不健康な食事、血圧・コレステロール・血糖値の管理不良が挙げられますが、最近の研究では、喫煙、大気汚染、社会的孤立、低教育水準などがあり、長い年月をかけて脳の老化に影響する可能性がわかってきました。

世界保健機関(WHO)ガイドライン

2026年7月、世界保健機関(WHO)は認知症予防に関するガイドラインを約7年ぶりに改定し、新たに「大気汚染」を認知症のリスク要因として位置づけました。

WHOは、認知症予防として運動や食生活の改善、禁煙、社会参加など、生活習慣を中心とした対策を推奨してきましたが、今回の改定では、「環境要因」として、大気汚染への対策が初めて追加されました。

特に注目されているのが、微小粒子状物質(PM2.5)で、肺の奥深くまで入り込みやすく、一部は血流を介して脳へ影響を及ぼす可能性があると考えられ、脳内で炎症や酸化ストレスを引き起こし、認知症の発症リスクとの関連が指摘されています。

また大気汚染の中には微小粒子状物質(PM2.5)以外に、二酸化窒素(NO2)などの汚染物質も認知機能の低下と関連しているといわれます。大気汚染は脳内での炎症反応を引き起こし、神経細胞の損傷を誘発する可能性があります。

このようにWHOは、「空気の質」が呼吸器の健康だけでなく、脳の健康にも関わる重要な要素であることを示しました。

受動喫煙や農薬

「他人の喫煙によって生じるタバコの煙を非喫煙者が吸入すること」を指す受動喫煙もまた、認知症のリスクを高める要因とされています。
タバコの煙には多くの有害物質が含まれており、これらが脳内に蓄積し、神経細胞にダメージを与えることが考えられています。

農薬の曝露も認知症リスクを高める要因と言われます。農薬には神経毒性を持つ成分が含まれており、これが長期間にわたって脳に影響を与える可能性があるとされています。

空気質の改善

認知症予防の一つとして、室内の空気の質を改善することが役立ちます。具体的な方法としては、定期的に換気を行い、空気清浄機を使用し、室内での喫煙を避けることが挙げられます。

その他、家庭用品や化粧品を選ぶ際に成分表示を確認し、有害な化学物質を含まない製品を選んだり、自宅での農薬や除草剤の使用を抑えたりすることなどが挙げられます。

このように有害化学物質を避けることで、認知機能への影響を最小限に抑え、全体的な健康状態の改善に繋がることができると言われています。

有害物質による汚染は一般に外気より室内の方が悪く、多くの物質が平均的に外気の2~5倍に上ると考えられている中、「家族が毎日吸う空気の質」を考えることが大切になります。

建築業界で今後認知症になりにくい住まいを提案していかれたい方、教育業界で認知症教育を進めていかれたい方、空気質に関心のある方々に学んでいただきたい資格があります。


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